恋人同士の営みをしている最中の長太郎の目が、好きだ。
欲にまみれた、熱を帯びてとろんとした瞳は、俺の中に潜む熱を一層燃え上がらせる。

「ちょう、た、ろっ」

熱い気持ちをぶつける様に、彼の身体にしがみ付けば、がりりと肩口に噛み付かれた。
激しい痛みと、とてつもない幸福感が体中を駆け巡る。
長太郎の表情を窺うべく、首を必死に動かせば、彼の瞳に映る自分と目が合った。
あられもない姿をしている自分は、まるで彼専用の娼婦の様だと、頭の隅で誰かが笑う。
けれども、それも良いかもしれない、だなんて。
硝子玉はふわりと視界から消え、額に唇がおとされた。
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